ワシントン発 - COVID-19との闘いにおける医療品の不足は世界的な問題になっています。米国も同じ品目を巡って他国と競っている状況にあります。医療最先端で働く就労者にとって貴重な防護具や生死にかかわる用具を最大限に確保できるよう、FEMAと保健社会福祉省(HHS) は現在の供給量を短期的に急速に増やし、かつ長期にわたって医療品用具・機器の供給量を増やすべく 四本柱の戦略を実行 しています。この戦略は保存、加速、拡大と配分です。
国防生産法 (DPA) は、加速と拡大 を達成する目的で法制化されました。優先性を明らかにしたDPAは高値入札が目的ではなく、他品目の注文が成立する前に連邦政府による要件を最前線に押し出す働きがあります。
サプライチェーンを通じて発注を処理するにおいて、知事と連携して高値入札の可能性がないことを確認します。全国の知事および部族長により入札の問題が判明した場合、その旨の通達を受けるようにします。入札の問題が生じた場合は、州・部族政府と共にそれぞれのニーズを満たすような方法で問題を解決します。
COVID-19 に対する闘いにおける国防生産法の役割
COVID-19 との闘いにおいて必要不可欠な医療品に不足が生じた場合、大統領官邸COVID-19対策本部はDPAに基づく権限を行使して対応します。大統領は、DPAに基づき民間セクターに働きかけて連邦政府からの発注を優先させ、緊急対策や有事への準備など国防に関連する物資を分配する権限を有します。
今般の大統領命令および補足供述が明らかにするとおり、保健社会福祉省長官と国土交通省長官がDPAに基づき、多数企業に人工呼吸器や個人用保護具など、連邦政府からの発注を優先的に請け負わせ、生産させることができます。この法律のもと、HHSとFEMAは発注案件を優先化させ、数に限りのある必需品の分配を行い、必要不可欠な備品の生産を増やし、業界の提携先と任意に契約を結ぶことができます。
同省はDPAに基づき、危機的状況下で民間セクターの企業に対して連邦政府からの必要不可欠な品目の注文を優先的に受けさせ、場合によっては企業は他の顧客からの受注を延期、解消することもあります。DPAにより、必要不可欠な品目の生産と分配が米政府の方針に沿って行われるように配分命令を発効することもあります。COVID-19対策のために発令される配分命令は三種類あります。
- 確保 命令は企業が優先注文を受注することを予測して品目を別に確保しておくことを要請します。
- 指導 命令は企業がある品目の生産を維持する目的で特定の活動を行う、もしくは行わないよう命じます。
- 配分命令では、企業が特定の用途が認められた物資、サービス、施設の最大数量を特定する必要があります。
DPA に基づき、COVID-19対策のために数種類の金融インセンティブを利用することも可能です。
- 政府は購買委託により生産を増やすことができ、生産業者は在庫を不特定の購買者に向けて販売することができます。
- 政府は民間企業に政府所有の装置を使ってもらうことができます。
- 政府は保証付きローンを貸し付けることができますが、これには下院による追加承認が必要です。
民間企業とその関係者は、DPAに基づき連邦政府と相互に契約を結ぶことができますが、通常であれば反トラスト法に抵触するところです。COVID-19対策と連動し、それを支援する同契約により、企業はPPEの生産を拡大させることができ、COVID-19パンデミックに対する診療と隔離に対応することができます。
COVID-19 対策における DPA 権限の行使
HHSはDPAに基づく優先契約により、ゼネラルモーターズ(GM)などのメーカーができるだけ早く人工呼吸器を製造するために必要な供給元を提供する一方で、人工呼吸器が一番必要とされている戦略的国家備蓄に必ず振り向けられるようにします。
- 4月 13日、HHSはDPAに基づき人工呼吸器の優先的製造をゼネラルモーターズ、Hill-Rom、メドトロニック、ResMed、Vyaireに対する 5件の新規契約を発表しました 。
- HHSは2020年5月末までに戦略的国家備蓄向けに2,500台、2020年12月末納入で総数43,000台の人工呼吸器を フィリップスに発注しました。
- HHS は8月末までに戦略的国家備蓄向けに30,000台、6月1日納期で6,132台の人工呼吸器をGMに発注しました。
- 今月HHSから発表のあったDPAに基づく新規人工呼吸器の発注7件により、2020年末までに137,431台の人工呼吸器が生産されます。
- FEMAが公表したDPAに基づき3Mに発注したN95保護マスクの数は1000万に上ります。この受注の最初の納品は昨日4月12日に行われ、約600,000枚のマスクが納入されました。このN95保護マスクはFEMAが支援する州政府による要請と、通常のサプライチェーンの両方に振り向けられます。
4月3日金曜日、トランプ大統領はMemorandum on Allocating Certain Scarce or Threatened Health and Medical Resources to Domestic Use を発令し、国土交通省(DHS)とFEMAに対してHHSの指示を仰ぎながらDPAに基づき不足している医療品を米国内での使用のために確保するよう求めました。この方針の対象となる個人用保護具 (PPE) の一例として以下が挙げらます。N95保護マスクおよびその他の各種フィルターマスク、空気清浄マスク、外科手術用マスク、外科手術用手袋
FEMA と税関・国境警備局 (CBP) は 国内のブローカー、流通業者、その他中間代理店が必要不可欠な医療品が海外に横流しされることがないよう協力しています。CBPは大統領覚書で明記された PPEの出荷を一旦留め置き、 FEMA が同PPE を米国内での使用のために返送するか、米国を代表してPPEを購入するか、そのまま輸出するかどうかを判断します。
プロジェクト・エアブリッジはDPAに基づくものではないことの確認
国内サプライチェーンにおいて必要不可欠な医療品を確保する別段の取り組みについて、海外メーカーからの出荷品を受け取りに対してFEMAは民間セクター企業と協力しています。米国の医療品流通業者が顧客のためにPPEやその他の必要不可欠な備品を国内で受け取るまでの時間を短縮するために FEMAはエアブリッジを設立しました。このエアブリッジはDPAに基づいて実施されたものではありません。